隙間

松木 光恵

担当教員によるコメント

ものには厚みがあり、その厚みが作り出す隙間が主題に成っている。およそ20mm程度の厚さを持った鉄板を触り制作をしていくと、自然と素材の抵抗を感じさせられる。その抵抗を感じながら制作を続けて行くと、意図しなくとも素材の内部を意識させられる。鉄板と鉄板の隙間と鉄板内部という見えないものが感じられることにより、お互いが生き生きと作用し合う。見ることが出来ない触れないものを、まるで闇の中を彷徨う様に手探りすることで、逆に見えていないものが見えているものと一緒に立ち上ってくるのではないだろうか。

教授・多和 圭三