卒業制作優秀作品集2019
情報デザイン学科

高屋 知織

名も知らぬ遠き島より流れ寄る

インスタレーション・本
技法・素材:人工の漂着物、スチレンボード、紙、木材
サイズ:H1600×W6500×D40mm

生活の中のあらゆるものは、何らかの理由で海に放たれると、いくばくかの月日を経たのちに、機能を奪われた何者でもない「欠片」となって浜辺に流れ着きます。小さな小さな欠片の全体像、海に放たれる前の姿、確かなことは誰にも知ることはできません。しかし、欠片の周囲には、確かにイメージの余白が存在し、私たちはそれを自由に想像することができます。

担当教員によるコメント

誰もが思わず口ずさむ島崎藤村の「椰子の実」の歌詞の冒頭をタイトルにしたこの作品は、海辺に流れ着く漂着物に焦点を当て、それらが長い時間かけて辿り着き、物としての実用性を失い、人工物とも自然物とも区別のつかなくなってもなお、心惹かれる魅力を放っていることを伝えている。展示物や展示方法を何度も試行錯誤して最終的に床で実物と写真で見せる方法は、鑑賞者の視線を自然と下へ向け、海辺での追体験と漂着物への浪漫を彷彿とさせる。一方、最近ニュースで流れる漂着物と言えば、海洋汚染として問題になっているプラスチックゴミであり、そこには浪漫のかけらもない。その差は何なんだろう。この作品を見ていると、人と物との関係やその変化の速さにまで思いを馳せることになるから不思議である。

教授・宮崎 光弘

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