死者の記憶/Memory of The Dead

網中 朝海

担当教員によるコメント

ガイコツ

漢字で「髑髏」「骸骨」と書くと気味の悪い感じが増長される。網中の作った「ガイコツ」(あえてカタカナで書こう)はカラフルな文様が施されて、そのようには見えない。メキシコで毎年行われている「死者の祭」では、街でガイコツの扮装があふれ、晴れやかなイメージで死と隣り合っている。作者は現地調査にも訪れて、魔物の世界と人々の生活が陽気な音楽とともに重なり合っている、中米の異質な文化の様子を観察してきた。その一方で、綺麗な光の万華鏡の世界は、ずっと彼女の心をとらえるものだった。両方の要素を組み合わせると「ガイコツ」の眼窩を覗き込んで見る奇妙な万華鏡ができた。この万華鏡には、綺麗とだけ一言で言えない、心に引っかかりを残す「気になるファンタジー」がそこにある。

教授・森脇 裕之

  • 作品名
    死者の記憶/Memory of The Dead
  • 作家名
    網中 朝海
  • 作品情報
    インスタレーション
    技法・素材:アクリル絵の具、石膏、石粉粘土、アクリル板、オルゴール、万華鏡素材等
    サイズ:H200mm×W200mm×D230mm(5点)
  • 学科・専攻・コース