Regard Art

星 杏沙妃

作者によるコメント

あなたは”なんとなく”かっこいいというだけで、真摯に向き合わずに”これは良いものだ”と判断していないだろうか。
人は誰しも見なす習性がある。目で見たものを脳で勝手に想像し解釈する行為である。芸術鑑賞においても、この行為は頻繁に行われる。
部屋に入ると様々なジャンルの芸術作品が展示されている。鑑賞後に奥の部屋に入ると、制作過程を記録した映像が流れている。そこで実は制作過程が馬鹿馬鹿しく無意味であることがわかり、映像を見る前と見た後で作品の価値が変化する。
この世界は、素敵そうだけどそうじゃない、かっこよさげだけどそうじゃないもので溢れている。自分が今見ているものは、本当に良いものなのか。鑑賞者が自身の目を疑うきっかけとなる作品にしたい。

担当教員によるコメント

星さんの良さは笑いやユーモアを大切にする個性にある。3年時のプロジェクト課題で印象的だったのは、ユーモラスな健康啓発の映像作品であった。笑いの追求とは、固定されたモノの見方や常識に対して新しい角度を提示していくこと。その志向は、卒制においても重要なテーマとして引き継がれている。特別なものとして扱われているアートそのものや文脈を転換させ、認識や価値というものを鑑賞する人に問い直す。問題解決ではなく、問題提起もまたこれからのデザインの大きな役割である。

教授・永井 一史、非常勤講師・岡室 健

  • 作品名
    Regard Art
  • 作家名
    星 杏沙妃
  • 作品情報
    映像、インスタレーション、 絵画・イラストレーション
    技法・素材:アクリル絵の具、墨汁など
    サイズ:W9750×H2700×D8800mm
  • 学科・専攻・コース