小人スナップ
加藤 咲季
作者によるコメント
小さい頃、小人がここにはいるかもしれない、この場所を探検しているかもしれない、と想像することが好きでした。
この作品は、「いつもの日常生活の中に、もし小人が現れたら」ということをテーマに制作した、没入型イラストレーション作品です。架空の出来事でも、実際にスナップ写真で撮ったような表現に落とし込むことで、見る人に没入感を与え、写真を追っているような体験ができるのではないかと思い、制作しました。
あらすじ
小人の村から人間の生活を調査するため、小人の兄弟がやってきた。
人間に見つからないように観察したり、時には物資を盗んだり。
しかし、初調査の2人は気づかぬうちに、ある少女に見られていた。
これは小人を見つけた少女が、小人が帰って行くまでを、
こっそりとカメラで捉えた記録である。
担当教員によるコメント
人間の世界を好奇心を持って探索する小人たち。用心深いつもりでも、どことなく間が抜けていて、その行動は人間に筒抜けである。ディティールや世界観の設計がきちんと詰められていることよって、加藤さんの作った世界に強く引き込まれてしまう。イラスト作品の多くは、どんなテイストでイラストを描くかという表現だけの問題にとらわれてしまうことが多いのだが、この作品は描かれた世界観と、それを観察しているカメラマンというメタな視点を設定することで、独自の世界を生み出している。
教授・永井 一史、非常勤講師・岡室 健
- 作品名小人スナップ
- 作家名加藤 咲季
- 作品情報インスタレーション、絵画・イラストレーション
技法・素材:Photoshop、写真紙
サイズ:W310×H220mm(30点) - 学科・専攻・コース
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