おとしもの
福谷 春佳
作者によるコメント
大学に通うため上京し、初めて一人暮らしをした。
徒歩10分で大学へ行けるアパートを借りた。保育園がすぐ近くにあり、部屋にいると外遊びをする元気な子供の声が聞こえる。近所には小中学校もある。商店街と、周りには住宅地が広がっている。
近所を歩いていると、よく落とし物を発見する。
落ちて地面にそのままのもの。誰かが移動させてそこにあるもの。
その場で生まれた人とモノ、周囲の関係性が自然と現れている。
他者の生活や気配がものから静かに発せられている姿に魅力を感じた。
生活をする中で落とし物を見つけたら写真を撮るようにした。
担当教員によるコメント
福谷さんが日々考えていることや感じていることをまっすぐに表現した、ブックデザインのインスタレーション作品。日々集め続けていた写真群を飾る木枠の存在感や、ブックを展示した机の存在感がとても自然で、福谷さんらしいクオリティを感じさせてくれた。どんなプロセスや手法を経ても、最終的にその人らしさが滲み出てくることもデザインの魅力の一つである。これからも柔らかい日々の視点を大切にし、様々なデザインに挑戦して欲しい。
非常勤講師・岡室 健
- 作品名おとしもの
- 作家名福谷 春佳
- 作品情報写真
技法・素材:紙、インクジェット出力、Illustrator、Photoshop
サイズ:W220×H280mm(1点)、W200×H150mm(6点) - 学科・専攻・コース
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