車内、そして外の風景, 夜道
朝比奈 瑞
担当教員によるコメント
夜道、黄泉の国へと続く階段のように果てしなく、闇と光が時空を捻じ曲げながら画面を遮る。ピンクの紙に黒い線で一心不乱に描く、「何かに気付いた人」を目撃してしまったのは、彼女が3年のアトリエでした。車内、そして外の風景、空に浮く飛行船のような物体は一体何なのか?などはどうでもよくて、この絵の前に立つと身体がふわりと浮き上がる感覚、流れる風景が映り込むサイドウィンドゥ、バックミラーには顔、奥にはクリアに描かれたノコギリ歯の木。あぁ、もう一人居る!と脳が次々認識するごとに足元が揺さぶられ立ち去り難い。ぐにゃりと歪んだ形、揺るぎない構成と未成熟な輝きを放つ色彩に魅了され、謎解きが始まってもなお惹きつけられる。観者それぞれが秘密の発見者になれる、そんな絵を描く人だ。やっぱり、あれってクジラなの?
教授・村瀬 恭子
- 作品名車内、そして外の風景, 夜道
- 作家名朝比奈 瑞
- 作品情報『車内、そして外の風景』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H194×W130cm
『夜道』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H112×W162cm - 学科・専攻・コース
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