window canvas, the way we meet

小島 有加里

担当教員によるコメント

小島有加里の「window canvas」と題された巨大な作品は、その並外れたスケールの大きさに圧倒される。窓からの発想なのか、透過性のある画布部分によって、向こう側とこちら側の世界を結びつけているようにも分断しているようにも見える。「人と人の関係性を作品にした」と小島がいうように、誰かと誰かの境界であり接点でもある。視界と視界の接点、認識と認識の境界線、認識の交わる場がこのキャンバスなのだ。価値観による認識の違いやズレは、作品を見る時に限らず、日常の中でも誰もが抱える認識の壁となっている。その関係を紐解くことは、生きることそのものであり、作品を通して探求できることだと小島は考えている。人は経験を経て独自の世界を創り上げていく。その歩みの中で限界を感じ、さらに乗り越えるために制作をすすめる。そのような不可能への挑戦の中にこそ崇高や超越が潜んでいるのではないだろうか。

教授・木嶋 正吾

  • 作品名
    window canvas, the way we meet
  • 作家名
    小島 有加里
  • 作品情報
    『 window canvas 』
    素材・技法:亜麻、木材、タックス
    サイズ:H310×W880×D6cm

    『 the way we meet 』
    素材・技法:布、木材、タックス
    サイズ:H45×W220×D63cm
  • 学科・専攻・コース