顎門, モッシュピット
鶴田 裕哉
担当教員によるコメント
鶴田君は、過去の複数の自作品をこの《顎門》(あぎと)の素材として切断し、レリーフ的に再集結、再構造化した。(完成後、更に2分割したのが現作品)その容赦無い決断力は、やや危険性を帯びつつこの作品のコアな部分を形成する。エネルギッシュな筆致で破壊と生成を、黒々とした異様な雰囲気において達成する才能の持ち主だ。顎門とはあごの事だが、物理的な力のみならず世界を切断する概念的な起爆力をも備えた展開を今後期待しよう。《モッシュピット》は、彼を時々襲う脳波的な乱れがテーマだという。元来、作品の制作には通常の精神からの逸脱が必須条件とすれば、資質的には有利だろう。やや混濁した色彩が脳内をカオス的に表出する様は、彼の率直さと勇気を示している。
教授・中村 一美
- 作品名顎門, モッシュピット
- 作家名鶴田 裕哉
- 作品情報『 顎門』
素材・技法:油彩、廃材
サイズ:H224×W184×D15cm
『 モッシュピット』
素材・技法:油彩、キャンバス
サイズ:H162×W130cm - 学科・専攻・コース
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