多摩美術大学|卒業制作優秀作品集|生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻|西村 海里

卒業制作優秀作品集2019
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻

西村 海里

WOOLに硬度を持たせた展開

技法・素材:xool、漆、熱プレス、縮絨

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【より硬く、より強く】
縮絨することで硬くなるWOOL の性質から、極限まで硬くしたWOOL でモノを加工 する道具をつくることを目指した。WOOL に生分 解性プラスチックを混ぜて熱プレスし、さらに漆を塗り重ねることで土に還る道具、『THE HARDEST WOOL』が生まれた。一つの素材で「柔らかさ」と「硬さ」を共存させることができる魅力を持つWOOL から、モノづくりの新しい可能性を探る。

【WOOL と漆を組み合わせて生まれた極限に硬いWOOL】
天然素材である漆は、WOOL と同じように製作工程で硬くなるという共通点があり、WOOL の特有の質感を損ねることなく更に硬くすることができた。WOOL と漆を組み合わせる独自の製法により生み出された極限に硬いWOOL は、砥石で研ぎ上げることでモノを切ることを実現させた。

【ノルウェーが育むWild wool の魅力に触れる】
ノルウェーへ行きWild wool と呼ばれる硬い毛を持つ羊の農場や毛刈りの様子、WOOL の加工工場などを見学した。ノルウェーの自然が育むWOOL の魅力や人と羊との関係、人々がどのようにWOOL を利用してきたのかを実際に目で見て肌で感じてきたことで、作品の改良につながった。

【WOOL のモノづくりの新たな可能性】
自分が発見した硬いWOOL の意外性と、WOOL が本来持つ柔らかいイメージの融合を肌で感じ取れる仕上がりを目指した。WOOL らしいボリュームや温かみ、手に馴染む感触を、見た目だけではなく手触りからも楽しめるよう、多くのモデルを制作し研究した。世に出回るプロダクト製品のほとんどは、硬い部分と柔らかい部分をパーツで分けて製造されている。しかし、WOOL は異なる硬さのパーツを継ぎ目なく造形できる。WOOL に更に硬さを与えたことで、WOOL のモノづくりの幅が広がり、デザインの新しい可能性が生まれると考えている。

担当教員によるコメント

WOOLを使った柔らかくもあり硬質でもある素材。西村海里くんのこの提案の中には、従来試みられてこなかった素材活用方法が幾つも含まれている。WOOLに漆を塗り重ねる製法、生分解性プラスチックを含浸させる製法は、思いついたアイデアをすぐに形化させながら考えていく力によって、新しく未知なるものに取り組む際の大いなる推進力を得ていると思う。WOOLの硬質材は、浴槽や船の材質としても利用されるFRPと同じ仕組みで強度を高めており、技術的にも理にかなっている。新しい素材表現に形を与える際、既存のモノのアイコンを用いるアプローチから1歩先に踏み出すと新たな形を与える難しさに直面するが、新しいアイコンをつくり出す気構えで今後も制作に臨んで欲しい。

教授・濱田 芳治

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