LANDSCAPE PRODUCTS

土田 恭平

作者によるコメント

風鈴が普及した江戸時代には花見のように虫の声を聴きに出かける文化がありました。逆に言えば、そういう文化があったからこそ風鈴は普及出来たともいえます。しかし、現在では風景といえば目で見るものであり、人はより視覚優先的な生活を送っています。かつての人と風景の関係性から風鈴が生まれたとしたら、今の人と風景の関係性からは何が生まれるだろうか。動く華はそれを形にしたものであり、動くことで人を心地よくさせる現代の風鈴的プロダクトです。

担当教員によるコメント

土田恭平くんは、Sound Scapeという切り口によって、本人が感じた暮らしの周りにある違和感、気づきを丁寧に汲み取って新しいモノの提案につなげている。ここで大事に考えるべきは、土田くんの視点のつくり方だろう。まだ自分を固めずに、嗜好のアンテナを積極的に拡げて学ぼうとする姿勢が土田くんにはあり、思考柔軟性の高さを感じる。そしてそのことが提案を個人的な解釈から、多くの人の共感を呼ぶところへと、レベルアップできている理由にあると思う。視野の広さ、視点移動の柔軟さは、クリエイターにとって大いなる強みとなるので、今後も培っていって欲しい。得られた独自の視点をどこか愛らしさのある表現に結びつけているところにも、とても高い才を感じる。

教授・濱田 芳治

  • 作品名
    LANDSCAPE PRODUCTS
  • 作家名
    土田 恭平
  • 作品情報
    技法・素材:プラスチックフィルム、真鍮パイプ、MESH、モーター
    作品形態:ミクストメディア
    サイズ:H350×W52×D52mm
  • 学科・専攻・コース