F15

佐藤 嵩久

担当教員によるコメント

捨てるために作る。惹かれる作品に背を向けるか、捨てられるまで作り続けるか、無意識の選択がある。作り続けて空になりそうな佐藤君の掌は何かに触れ始めたようだ。鋳造作業の工程で費やす時間とエネルギーが、彼の思考の深まりに作用したようにも思える。この作品は五美大での展示を意識して制作された。絵画と彫刻、作品展示、そして美術そのものに正面から向き合い始めた佐藤君がその手で何を掴み取るか楽しみだ。

教授・村井 進吾