HOLELAND

渡邉 くるみ

担当教員によるコメント

渡邉さんは、全ての課題を疎かにしない学生である。今回のHOLELANDと名付けられた卒業制作のコンセプトイメージは、幼少期からの興味の対象である「穴」がテーマのインスタレーションだという。当初、作品化が難しいと思った。しかし渡邉さんには、コンセプトは元より作品の完成度で他人を納得させる手腕がある。従って、彼女の作品から読み解く方が説得力を感じるのではないのか。つい、そう考えてしまう。巷間、コンセプトの説得性や、上手く説明さえつけば作品そのものについては後回しということもある。たとえテーマが難解であっても空間との関係性でそれを見事な作品に仕上げてしまう彼女の力量こそが尊いのだろう。このようなタイプの創作家は、いずれ世に出て欲しいと願う。

教授・髙橋 正