undulation

下川 奈月

担当教員によるコメント

この作品の秀でているところはと問われたら「バランスが良い」と答える。バランスが良いというと褒め言葉でありながら、何か物足りなさを感じるかもしれない。しかしそのような意味を超えた言葉として捉えてほしい。何故なら表現したいコンセプトに合わせ、素材・色・技法・染料・形・縫製・プレゼンテーションなど全ての要素を的確に選び、まとめ上げたバランス力が見事な作品だからだ。特に織技法と身体との関わりに無理がなく、このテキスタイルデザインの魅力を最大限に生かし、身に纏うものとして完成させている。鮮やかな色彩表現を求め試行錯誤した成果も狙い通りと言えよう。既にある布から服をつくるのではなく、素材研究から始める本専攻の学びの集大成と言える作品である。

講師・辛島 綾