妖怪の世界へ、ようこそ!

佐藤 有花子

担当教員によるコメント

日本には、奇妙で恐ろしくも可愛い妖怪たちも育まれてきました。そうした「語られた」伝承に並行して、怪異や妖怪を絵画・造形化する伝統・文化も長い歴史を持っています。
佐藤有花子さんにとって妖怪とは、もう一つの自分自身の鏡像だといえるのではないでしょうか。妖怪探しで森の中に探しに出かけ、道に迷って水の中から戻ってきた佐藤有花子さんは沢山の妖怪達に出会って世界に誇る最高のお洒落着の振り袖を纏って帰って来たのです。その旅がスリルと笑いに溢れていた事だったと容易に想像が出来ます。美しくも不思議な世界を緻密な友禅技法によって表現された力作は、向き合う事の大切さを教えられた作品とも言えます。今後どのような展開を見せるのか多いに期待しています。

教授・弥永 保子