卒業制作優秀作品集2020
芸術学科

ZHONG Xinying

ロバート・アーウィンの不明瞭性における現象的な表現をめぐって

本論文では、ロバート・アーウィン(1928-)の生涯にわたる制作において、看過できない特性―不明瞭性を糸口としながら、その形成経緯、用いられた技法、同時代の動向・社会背景と対照し、この特徴が生み出された時代的な合理性と現象学への関心を持ち続けるアーウィンならではの独創性を捉えることにある。そして、この不明瞭性に関するアーウィンの理念と実践を現象学の思想の中から考察することを試みた。

担当教員によるコメント

ロバート・アーウィン(1928-)は、1960年代にアメリカ西海岸で興った「ライト・アンド・スペース」の動向の主要作家の一人である。Zhongさんは、日本ではほとんど知られていないこの重要な作家を取り上げ、アーウィンに関する英語文献を多数集めて考察を行っている。そこでは特に、現象学との関連に着目しながら、アーウィンの仕事における「不明瞭性」の問題を多角的に掘り下げており、卒業論文ながらアーウィン研究やライト・アンド・スペース研究に少なからず貢献するレベルの力作である。アメリカのいくつかの美術館等でアーウィンの実作品および一次資料の調査を積極的に行った点も、大いに評価に値する。

准教授・大島 徹也

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