鈴木 智子

担当教員によるコメント

鈴木は熔けたガラスを型に巻きつける仕事から始まり、それを垂らし、重ねてゆくことで生まれる塊を作り出すことをずっとやってきた。多摩美のガラスプログラムには、リサイクルされ、金属で調色された濃いめの青色のガラスが熔けている炉がある。そのガラスを仲間と共に一つ一つ巻き、電気炉の中に垂らしていく。当初は型の上に垂らしていたが、そのガラスの質に付き合ううちに、純粋にガラスだけの塊になって来た。投げ出されたようなその塊の持つ力は素材の力なのか、地道に垂らしていったその作業によるものなのか、いずれにしても彼女は自らの作品の持つ力に引っ張られてここまで来たようだ。こういったやり方で作品が成立するのは、設備や人の手伝いを含め決して容易ではない。今後どのような環境で成長していくのか楽しみだ。

教授・高橋 禎彦

  • 作品名
  • 作家名
    鈴木 智子
  • 作品情報
    技法・素材:ガラス
    サイズ:H580×W300×D300mm、H300×W800×D450mm、H200×W900×D250mm
  • 学科・専攻・コース