paranormal landscapes

阿部 雄大

作者によるコメント

僕はテレビゲームを作ることを仕事に選びました。それが本当にやりたいことだったから。僕にとってテレビゲームを作る仕事とは、まだ見ぬ世界を作る仕事です。未知なる世界を作り上げる挑戦こそが、僕が最も求めるものです。今回の卒業制作では、自分の訪れたい超常的な世界を6枚のイラストレーションで表現しました。テレビゲームを作りたい。そのために空想の世界を描く。そういうことを、ここでやりきりました。

担当教員によるコメント

人はなぜ壮観な風景に感動を覚えるのだろう。それが日常をこえたスケール感や新鮮さに起因するものならば、臨場感や広大さの伴った未知の風景のイメージはあらゆる文化や国境を越えて多くの人々を感動に導くはずである。今回阿部雄大が制作したイラストレーションはまさにその「実在しない壮観な風景」の提示を目指している。自身で空想した世界を旅するように地上、上空、海中、森、山脈などのシーンを作り上げ、浮世絵版画を思わせる大胆な構図や幅広い色相を駆使しながら、奥行きや目に見えない気温、風、光を感じさせる細やかな演出、描写を試みている。そこには高い技術力だけでなく、受け手を未知なる空間に引き込んで心を揺り動かそうとする阿部の挑戦の精神がうかがえる。

非常勤講師・柏 大輔