ANIGLYPH

村松 直

作者によるコメント

3Dメガネをかけて見ることで完成する、グラフィックを用いた立体彫刻を制作しました。赤青レンズのメガネをかけることで立体的に見える3Dの手法をアナグリフ3Dと言います。今となってはほとんど見ることの無くなってしまったこの手法を、単なる用途としてではなく、美術的表現の一つとして用いました。

担当教員によるコメント

学生時代に「オリジナルな優れた制作物」を目指すと、往々にして「様式的に誰かの影響を強く受けた作品」をつくることになってしまう。「オリジナルか?」「優れているか?」は事後的・歴史的にしかジャッジされ得ない質のものだからだ。そう考えた時「つくりつづける」ために必要な目標はもっと別のところに設定されるべきであるということになる。それには一旦「私が表現したいこと」と切り離された態度が必要であり「表現されるべきこと」の方に信が置かれるのでなければならない。村松の探求と制作にはその質があるように思われた。まだ萌芽と言うべきものだが、学生の間にこれが見出せている者はじつはとても少ない。卒業後の長いスパンの活動を通して開花するものがあると思う。おおいに期待したい。

教授・佐藤 直樹

  • 作品名
    ANIGLYPH
  • 作家名
    村松 直
  • 作品情報
    グラフィックデザイン
    技法・素材:ベニヤ板、パイン集成材、紙、エンビ板
    サイズ:H292×W457×D132mm、H191×W316×D92mm、H117×W706×D137mm、H311×W614×D614mm、H349×W664×D167mm、H560×W664×D232mm
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