おしぼん

清水 優

作者によるコメント

大学生活において自身の生きる糧となった「推しくん」のグラフィック本を制作しました。推しくんとは実際に存在するアイドルです。今後デザイナーとして生きてゆくにあたって、こんなにも好き勝手製作できる機会は指で数えるくらいしかないと感じたため、自身の「好き」をとにかくたくさん詰めました。

担当教員によるコメント

諸行無常。モノゴトに永遠は有り得ず。グラフィックデザインの価値観も昨今変化が激しい。誰にもわかり易く、そして社会に尽くすことを第一にかかげ、無駄のない機能重視の必要性が最も叫ばれる状況である。そこには時代という大きな波に逆らえない現実があるのかもしれない。しかし、このベクトルによって確実に失われたものがある。それはビジュアルコミュニケーションの“個の力”の評価ではないだろうか。世の中を見渡せば画一的なデザインに溢れ、表現が妙に軽い。若い世代もいつの間にかそこに安住し、人々を新鮮且つ、誰もがなし得ることの出来ない創造に挑み、美やエンターテイメントで感動させる術を忘れ去ってしまった観さえある。清水優はこの現実に強い憤りを感じているのだ。凄い仕事をやり遂げた。No.1の卒業制作だと思う。

教授・澤田 泰廣