くまのこじま

志賀 彩織

作者によるコメント

無人島に1人で暮らしているクマのひとつの出会いを描きました。制作するにあたり、インターネット上の顔の見えない相手とのやりとりから着想を得たので、ゴミがたくさん流れてきたり、釣りにカニが巻き込まれてしまっていたりと優しいだけの世界にならないように意識しました。

担当教員によるコメント

淡いトーンの優しい世界。シンプルな物語を丁寧に語った作品である。しかし志賀彩織のアニメーションの特徴は全体がプルプルと躍動しているフルアニメーションであること。大抵のアニメーションは作業効率を考え、1秒に8枚もしくは、12枚の絵で構成されている。ところが本作は、1秒に24枚の作画がされたフルアニメーション故に、なんとも言えないプルプルが目に心地よい効果を与えている。前作からこの気持ち良さ発見した作者はコツコツと作画を積み重ね本作を完成に導いた。また余韻を与えぬカッティング(編集)も独特で、テンポよく物語を紡いでいる。それらの効果が相まってスイートだけど、ベタつきの少ないデザイン性の高いアニメーションに仕上がった良作である。

教授・野村 辰寿

作品動画