ハッピー・ムダ・ライフ

鵜飼 まなみ

作者によるコメント

4年間、わたしはひとりで好きなことを見つけたり、ものを集めたりしていました。ここにあるのは日常生活で必要のないもの・使いこなせなかったものたち。そんなムダなものにわたしは支えられてきました。ムダを愛することは心の余裕だと信じているからです。そんなものたちへ感謝の意味を込めて、パッケージをつけました。

担当教員によるコメント

自分の所持する役に立たないガラクタを収めるパッケージをひたすらデザインしている。現在の店頭で見られる日用品やおもちゃのパッケージの典型的なスタイルを参照しながら、ひとつひとつの中身に合わせて形状やグラフィックを考え、裏面には説明書きなども入れて、周到かつ過剰に作り込んでいる。その行為の突き抜けた無意味さと陽気な仕上がりは、1970年代のポップアート的なアイロニーも感じさせるし、「包む」ことの意味を問うコンセプチュアルアートのようでもあると思う。しかしそんな評論めいた考えを笑い飛ばすように、とにかくデザインしまくって空間を埋め尽くそうとした明るいパワーが眩しい。

教授・服部 一成