存在する光, 光の空間を利用した新しい立体映像

藤後 麻理絵

作者によるコメント

私たちは光の当たっている面を見て初めて光を知覚する。しかし、見えてはいないだけで、「光」は私たちのすぐ横を通っているのだ。
私はこの「光は空間的に存在する」という特性を使い、新しい映像表現としての立体作品を制作した。

担当教員によるコメント

藤後は映像表現を追求していくなかで、その根幹をなす要素である光と空間に強く関心を寄せ、卒業制作ではスクリーン及びそれに投射する光としての映像のデザインに取り組んだ。それはまさに、新しいメディアのデザインと言えるものである。従来のスクリーンが持っている「四角く平滑である」という前提を廃し、そもそも光とは何かについて考え続けた結果たどり着いた本作品は、単純な光でもスクリーンの形状によって様々な造形の可能性を示すものになった。
現在当たり前になっている技術や表現について、そもそもの前提から見直し、知覚と環境の両面から新しい提案を行うその態度は、これからの時代の映像表現を探求する表現者としてのふさわしい姿であると思う。

教授・中村 勇吾、講師・菅 俊一

  • 作品名
    存在する光, 光の空間を利用した新しい立体映像
  • 作家名
    藤後 麻理絵
  • 作品情報
    技法・素材:布、MDF板、ワイヤー
    サイズ:H3000×W2000mm(1点)
  • 学科・専攻・コース