季節の移動

竹本 明梨

担当教員によるコメント

中央に配した人物の発する言葉なのだろうか、吐息であろうか。まるでひらがなが解けていくようにしなやかな線が細い帯となって折り重なる、思考と筆跡の追随が織り成す世界観に圧倒された作品である。装飾的な感覚を背にしつつも、線に込められる作り手の一貫した興味、密やかな行為に導かれて彼女の問いかける世界に誘われる。憂うことなく筆を揮う彼女の未来に期待したい。

准教授・千々岩 修