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担当教員によるコメント

この地獄の門は、無数の量産品の模型の人間で埋め尽くされている。タイトルの数字はその総数だと言う。そこに散りばめられた生と死に纏わるイメージ。人々は折り重なって塔となる。暴力である。例えば災害の度にニュースで示される被害者の人数。作者はそこに数の暴力を感じてきた。一人一人の情報を知ることもなく、数で状況を判断しようとする暴力。社会はこんなだよ、私達はこんなだよ、と言っているようである。ただ、その批判精神は、人間を信頼したいという愛に恐らく繋がっている。衝動に駆られ、ひたすら制作に身を投じる。簡易的な照明がドラマを演出するが、この門には裏があり配線も丸見えである。物事にある表裏。彼には、ボーダーを超えて表現を深めていってほしいと思う。

教授・髙柳 恵里