ghost, 自由になるには
樺山 祐人
担当教員によるコメント
「自由になるには」と題された樺山祐人の巨大な作品は、その並外れたスケールの大きさに圧倒される。画面を見ると左側にはスケートボードをする若者、中央には自身の象徴として描かれた大きな顔、右側には街並みと冷たい視線を送る人々が描かれている。造形的にも左側はルールに縛られない自由で大胆な表現が見られ、右側はルールを守る人々を秩序正しく平面的に描き、中央の顔は左右の表現を対比させながらも全体をまとめるように力強く描いている。「自由になるには」は自由と秩序という相容れない矛盾とその葛藤を表現しているが、二項対立をはたして解決できるのか可能なのか。不可能性への挑戦ともとれる。しかし、この作品は規格を超える大きな画面で、並外れたパワーを発揮すればこそ、多様な表現や矛盾を取り込める場として機能し自由を獲得できることを証明した秀作といえる。
教授・木嶋 正吾
- 作品名ghost, 自由になるには
- 作家名樺山 祐人
- 作品情報『ghost』
素材・技法:キャンバス、油彩
サイズ:H130×W162cm
『自由になるには』
素材・技法:キャンバス、油彩
サイズ:H300×W468cm - 学科・専攻・コース
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