かたち

中橋 友理

担当教員によるコメント

作者はこれまでありのままの自分の姿を彫刻作品として表現する事を試みてきた。この作品の魅力は日常にある自然な動きの中の一瞬を切り取ったかのような動勢の素晴らしさにある。この事はチェーンソーをしっかりとコントロールしながら勢いある切断面を十分に意識して、残すべき面は残しながら形態のリアリティーに切り込んでいく思い切りの良さによって生み出されている。また、細部にはあまり拘らずに鑿の荒い仕上げに止め、全体のしっかりとした面の構成を残しながら表現していることが良い効果を生んでいる。さらに赤いワンピースや頭部に着彩する事で陽の光を楽しんでいるかのような作者の等身大の姿がイメージされ、明るく親しみのある木彫作品となっている。

教授・川越 悟