immunity

相馬 和佳

担当教員によるコメント

人類が衣服というものを身に纏うようになってからどれだけの月日が流れただろうか。裸ではなく「なにか」で体を覆う事には、時が経つにつれいくつかの意義が生まれてきた。現代においては目まぐるしく時間と情報が交差して、自分という生命体が空中分解してしまいそうな錯覚に不安を感じることも多いと思う。この時代に無理なくありのままの自分を保つことは困難ではあるが、相馬さんは、テキスタイル表現が持つ心への影響に、immunity、つまり免疫力という方向性を持たせることで、「自分を守り修復してくれる布」を見事に具現化しました。着る人の個性に合わせて、染めの技法を使い分け、素材やパターンを工夫して、柔らかくのびやかにそして堂々とした作品を制作できたと思います。

教授・小林 るり