Favorite Things

西尾 美帆子

作者によるコメント

まる・さんかく・しかくなどの単純なかたちを組み合わせて”好き”をつくっています。
それらのかたちは、小さい頃私がときめいた場所やあそび、いきものなどを思い出させてくれます。ただかたちを構成しているだけなのに、完成したかたちが”好き”なもの・ことに見えるところに面白さを感じています。
ガラスで制作するときガラスの性質によって思い描いたかたちとは異なるかたちになることがあります。しかしそのかたちが面白い要素になることがありそんなときガラスの楽しさを感じます。そして新たな”好き”の発見につながります。
自らがときめいた”好き”を通して、個々の”好き”を思い出す装置となる作品を作りたいという気持ちで制作しました。

担当教員によるコメント

ガラスは造形自体がわくわくするような驚きと発見に満ちている。西尾は自身が大好きだという、シンプルな形を積み木のように組み合わせて作った小さなオブジェを沢山並べた作品を作った。それは丸や三角、四角など基本的な図形のような要素からなっているが、ガラスを液体から造形するときに必ず通るような基本形態でもある。西尾はそれを思いつくままに組み合わせ、多くは接着という形で接合していった。粘土をこねながら形作っていくような手作業から生まれた作品とも言えるが、そこには西尾のおしゃれなセンスが生きている。ひとつひとつの形態は手のひらに入るような小さなサイズだが、そこにガラスの宝物性やポップな商業的なイメージが効果的に込められており、見るものは西尾の喜びを共有することとなる。

教授・髙橋 禎彦