0 table

田中 千絵

作者によるコメント

在るようで無い無いようで在る朧げな人間の潜在意識に作用する家具の提案。均一に並んだ17956本のテグスたちは移り行く景色や光と共に変化し、操作されていながらも偶発的で自然なばらつきを魅せる。デザインと機能が表裏一体になりつつある現代に、この[0 table]を提案する。

担当教員によるコメント

「潜在意識に訴える」をコンセプトに、この作品の試行錯誤は始まった。その過程において、デザインの命題である機能を問いながら、それを否定するような作業が繰り返された。つまり機能を優先することは「潜在意識に訴える」には逆効果だった。機能は目的のためにあるが、目的が設定されない、いわば無目的なデザインをしてもしょうがなかった。あえてテーブルを作品名にしているが、最小限の機能を残しながら潜在意識に訴える存在となった。その存在が最も不確実にもかかわらず、美の極致を感じさせてくれる。この作品を目の前にすると「美も機能であるはず」といった倉俣史朗の言葉を思い出す。

教授・米谷 ひろし

作品動画