武蔵関タイムトレイル

川口 豊

作者によるコメント

住宅街にある武蔵関公園は大きな池と緑に覆われ、美しい景観を持ちます。しかし公園と周辺の土地との高低差が大きく、公園内が見通しづらいため、地域の人さえ目的を持った人しか立寄りません。

周辺との高低差をなくし、生活動線ともなる橋を公園の上に通し、公園内の自然を通して季節や時間の流れを象徴的に感じられるような橋、園路、池をデザインしました。

この公園を訪れる人々の体感や感覚の時間の流れを調律するような公園を提案します。

担当教員によるコメント

人にはそれぞれ違う時間が流れている。自分の中でも楽しい時間は素早く流れ、辛い時間はなかなか進まない。そんな人と人が都会ですれ違うだけって、とても寂しいのではないか?ほんのひと時でも同じ感情を共有することはできないのか?共有する場を創ることはできないのか?
子供の頃から親しんだ公園がある。石神井川の脇、水があり、ボートが浮かび、桜が咲く緑豊かな公園は残念ながら街から沈み込んでいる。お年寄りには到達は難しい、よほど時間のある人でないと公園を利用しない。そんな公園を、「共有する場」にできないか。川口の動機はそこにある。
住宅地のレベルに橋をかける。どこからでも車椅子でも到達できる公園。桜の梢の横に居られる、樹々の梢を感じられる、野球場を上から眺められる、いままで誰も感じられなかった体験ができる場を川口はくれた。

教授・吉村 純一

  • 作品名
    武蔵関タイムトレイル
  • 作家名
    川口 豊
  • 作品情報
    模型、プレゼンボード
    素材・技法:スチレンボード、ケント紙、かすみ草、ボード紙
    サイズ:W841×D1189×H150mm
  • 学科・専攻・コース