子供のための公共施設

島田 日向子

作者によるコメント

子供にとって遊ぶことは心身ともに大切なことであると痛感した出来事があった。コロナの影響により、アルバイト先の学童保育はどうしても休めないご家庭のみの預かりとなった。登室人数は1/5ほどとなり、こんな状況でも親といることができない子供を不憫に感じた。しかし再開後登室できなかった子供の中に精神の乱れや体力の衰えが出ていることに気が付いた。家で思うように遊ぶことができずストレスを抱えていたのだ。のびのびと遊ぶことができる空間が社会にもっとあるべきだと感じた。そこで今回、子供の成長と幸せを実現する公共施設を設計することにした。学童のように第2の家のような場であるとともに、様々な体験をすることができる施設を目指す。

担当教員によるコメント

敷地は、8本の小道の集まる樹木の多い公園の一角である。敷地は3m程の高低差がある。この施設は2階建で、敷地斜面にうまくなじむよう半分ほど埋められている。屋根のドームは地上に出ており、トップライトからは建築内の気配を感じることが出来る。高台側からは、敷地の階段や滑り台やなだらかな坂道で1階のエントランスまで来訪者を導く。快適な配置である。内部には図書館やシアター・ホール、教室が有機的につながり、各々の空間には面白い開口部やベンチが設えられている。中央のネットジャングルで遊ぶ子どもたちの声が聞こえて来るようである。長年学童保育所を手伝っていた作者の体験が空間に活かされ、リアリティーのある質の高い、楽しい建築とランドスケープの設計となっている。

教授・田淵 諭