ぼくの山車展

大庭 聖生

作者によるコメント

幼少期の頃からの夢だった山車の設計をしました。設計した山車は私の故郷である、茨城県土浦市の山車を想定したものです。歴史と地理の観点から土浦の山車を分析し、パターンごとに再設計、そこから新しい土浦の山車のかたちをデザインしました。

担当教員によるコメント

ひたすら山車LOVE。しかも地元愛に根ざし、その興味と取組は本気モード。3年生の頃だったか、山車を作る職人になりたいと相談されて、強く推したことを憶えている。地道なリサーチを繰り返し、山車のバリエーションを積み上げてきて、最終的には1/3のサイズの大きな模型を提出した。山車の設計者としてなのか、自らノミを振るう職人なのか、その目指す所は、まだはっきりしていないのだろう。伝統的に木造建築をミニチュアながらも、大工が現物と同じ素材、同じ仕口で作ることがある。拙いながらも原寸と同じ体裁で作ることができたらと思うと残念でならない。日本の大工技術が高すぎる反面、中途半端に手が出せない状況が、伝統建築への理解への妨げであることも事実である。

教授・松澤 穣