imagine

栗原 昇一

作者によるコメント

作品制作において、考えやアイディアが生まれる瞬間も、作品そのものの魅力の一部であるという考えから“思考する”ということをテーマに、脳を中心に思考し活動している様子を平面作品として視覚化した。“スマホのカメラで覗き見る”という動作を、“思考を覗く”という行為と重ね合わせ、裸眼で見たときと、カメラを通して色反転させたネガを見るときの、2つの視点から鑑賞できるようになっている。

担当教員によるコメント

作者は3年生より、ひとつの画像をネガポジ反転させることによって見えてくる世界を追求してきた。それは明&暗であったり動&静であったり、相反するイメージをひとつの画像に持たせるという非常に困難な作業であった。 3年生の初期はネガポジ反転効果の物理的な側面に注目し試行錯誤していたが、後半は相反するイメージの持つ意味的な部分に重点を置いて追求してきた。4年生に入りそれまでの研究を元に、細部まで書き込まれた圧倒的な画力を駆使し力強い作品を仕上げた。

教授・原田 大三郎