塔の肖像

高岡 巧洋

作者によるコメント

私は幼い頃からタワーの造形が好きでイラストを描いていました。描いているうちに大きさや色だけでなく、構造に違いがあったり、タワーそれぞれに個性があることに気づきました。これらの特徴に多くの人に注目して欲しいと感じ、手描きイラストの雰囲気をそのまま活かしたインフォグラフィックスを制作しました。展示全体をモノクロで統一しているため、そこで補完できない色や時間の情報を表現するために映像投影を用いています。結果としてただの情報補完ではなく、通りがかった人を作品に惹きつける大きな魅力になったと思います。

担当教員によるコメント

世界にはさまざまな塔が存在する。宗教心や国力や経済の象徴として、技術革新により高く聳えてきた塔。それらは時を経て建設理由とは関係なく多くの人々を魅了している。その理由は多くの人が見上げた時に感じる清々しさや心地よさに起因しているかも知れない。高岡巧洋も幼い頃から塔に魅力を感じていた。「塔の肖像」は、その魅力を余すところなく伝える作品となった。それぞれの塔に関する膨大な資料とストーリーの調査。それらに思いを馳せながら自身で描いた、手書きによる精緻なイラストレーション。そして塔のリアルな佇まいを伝える空間の中での時間や光の変化の映像の投影。その結果、情報伝達を超えてずっと見ていたくなるエモーショナルな作品へと昇華した。

教授・宮崎 光弘

作品動画

  • 作品名
    塔の肖像
  • 作家名
    高岡 巧洋
  • 作品情報
    インフォグラフィックス、プロジェクションマッピング、インスタレーション
    技法・素材:プルーフペーパー(新聞紙)、四つ切り画用紙、鉛筆、水性ボールペン、プロジェクター、Adobe Illustrator、Adobe After Effects
    サイズ:H1800×W610mm(12枚)
  • 学科・専攻・コース