卒業制作優秀作品集2021
統合デザイン学科
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おいて見る
環境によって見え方が変わる映像作品
技法・素材:iPhone5s、シナ材、クッション、デスクライト、Illustrator、Photoshop、Premiere Pro
サイズ:W210×D210×H900mm(7点)、W210×D210×H1200mm(5点)、W210×D840×H1200mm(1点)、W450×D450×H330mm(1点)
私たちが普段映像を見る時、視界には様々な情報が溢れているにもかかわらず画面内の情報のみを見ています。今回の展示では、ディスプレイの周りの環境が画面の隔たりを超えて映像の見え方に影響を与える試みを行っています。画面の人の振る舞いやその意味合いは、特定の環境において見ることで変わります。
担当教員によるコメント
通常の映像制作者は、映像の内容、つまり画面の内側のデザインに注力している。しかし実際には、どんな場所でどのような姿勢で見ているのかということ自体が映像の意味解釈に大きく影響を及ぼしている。スマートフォンが普及し、映像を観る環境や姿勢自体の自由度が圧倒的に上がった現在のメディア環境に生きる私たちにとって、この影響は本来無視できないものであるはずだ。野中が取り組んだ、身体・環境・映像のインタラクションという問題は、彼自身による一貫した「映像を観る人を見る」という丁寧な観察と探求によって、静かに鑑賞者の内面に驚きをもたらす独特な体験として結実されている。
講師・菅 俊一