卒業制作優秀作品集2021
統合デザイン学科
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- 佐藤 明日野
この作品は、現在の自分たちの水に対する感じ方を再確認する試みです。
水は、映画や広告、など幅広く表現のモチーフとして扱われています。その中には、現実の物理現象より誇張された屈折現象のCGや、あり得ないような水の動きを伴ったアニメーションなどを数多く見ることがあると思います。そういった現実ではあり得ない誇張された水の表現に親しみの深い人の中では、水の現象をより広く、捉えられるようになっているのではないか、という仮説を立てました。この仮説を元に、様々な水の形とディスプレイの映像の関係性を作り、現実には、起きないような現象を映像作品にしました。それぞれの現象の誇張された映像を見ながら、自身の水に対する感覚の広がりを感じてください。
担当教員によるコメント
佐藤は4年前期のかなり早い段階から、映像における仮想現象と現実の物理現象を如何に統合するか、という自身の興味を元に、諸メディアで用いられている水の質感表現(水らしさ)という切り口を見定めていた。以来約半年間、様々な表現手法を試し続け、展示における諸々のハードルを地道に検討し続けたスタディの量が、この作品のクオリティに結実している。中でも、既にある水の質感表現を後追いするだけでなく、自身が着想した一見あり得ないような仮想現象も現実の水を通して見ると「水らしさ」に回収され得ることをスタディの最中に発見したことは、重要なジャンプだった。また、もともと彼が得意だったプログラミング表現だけでなく、新たにCGシミュレーションなどの手法を習得しながら地道に表現の精度を高めていったことも最終的なクオリティに繋がった。量が質を生む。
教授・中村 勇吾