市川茉友子さんは、2年の時シェル美術賞展に入選している実力者だ。表現やテーマもその頃からしっかりした方向性を持っていた。人物のフォルムを解体するような分析的な手法も変わらず一貫していて、色彩もより鮮明になり明快さを増してきた。「All living thing」と題された作品は、複数の平面作品と紙粘土で造った立体作品が不規則に並んでいる。毎日鏡に映った自分を見て制作しているというが、その形は形にならない、いわば歪んだ形を造形しているようにも見える。確かに現代の人間は歪んでいて壊れつつあるのかもしれない。無意識のなかに現れる形によって表現しえない何者かを表現しようとしているのだろうか。心と精神の葛藤を形と色彩を超える次元で探ろうとしているように思える。
担当教員によるコメント
市川茉友子さんは、2年の時シェル美術賞展に入選している実力者だ。表現やテーマもその頃からしっかりした方向性を持っていた。人物のフォルムを解体するような分析的な手法も変わらず一貫していて、色彩もより鮮明になり明快さを増してきた。「All living thing」と題された作品は、複数の平面作品と紙粘土で造った立体作品が不規則に並んでいる。毎日鏡に映った自分を見て制作しているというが、その形は形にならない、いわば歪んだ形を造形しているようにも見える。確かに現代の人間は歪んでいて壊れつつあるのかもしれない。無意識のなかに現れる形によって表現しえない何者かを表現しようとしているのだろうか。心と精神の葛藤を形と色彩を超える次元で探ろうとしているように思える。
教授・木嶋 正吾