昇華, log5-17

金珂雪

作者によるコメント

かねてより興味があったダイビングを始め、その経験に基づき制作した。ダイバーが潜水毎につける「ダイビングログ」の新たな形として、また現地での人々との出逢いや関わりを絵画として描き起こし写真とは違う思い出語りの媒体を作るのを目的にした。絵画という手段以外にも作品をシリーズ化するための様々な方法を模索していきたい。
補足。9月下旬ごろ、免許を取った。外出機会が少なくなり、自分ではあまり感じていなかったが家にいすぎるのもストレスだったようで、久しぶりに思い切り身体を動かしたり人と会話するのがとても楽しかった。つまり、ダイビングにまんまとハマったということ。

担当教員によるコメント

金珂雪さんは昨年からスキューバダイビングを始めた。「log5-17」という題名もダイビングログという気温や深度を記録する日記に由来する。ダイビングログに書けなかったことを深く表現してみたいという思いから、伊豆や熱海の海に潜った記憶を描いている。コロナ禍のなか現実から解放され、静かな平穏な海に身も心も包まれ、日常から隔絶された自分だけの世界に浸るのは至福の時に違いない。3年までは衝動的で表現性の強い作品だったが、再現性が強まりイメージの広がりもみられるようになった。海は季節や場所の違いによって表情を変え、インスピレーションを刺激し無限の想像力を与えてくれる。特に海の中は神秘につつまれた自然と生命体の宝庫だ。今後の展開が益々楽しみになってくる。

教授・木嶋 正吾

  • 作品名
    昇華, log5-17
  • 作家名
    金珂雪
  • 作品情報
    『昇華』
    素材・技法:キャンバス布、油彩、糸
    サイズ:H130.3×W162cm

    『log5-17』
    素材・技法:キャンバス、油彩
    サイズ:H194×W518cm
  • 学科・専攻・コース