Tuz Gölü

岸本 晃侑

作者によるコメント

シーズンオフのトゥズ湖から解したこと、その瞬間にある自然の気配を物体として留めた。天板のアウトラインは斜めにカットし全体をバーナーで焼くことで物量をフェードアウトさせた、人骨は陶器風に唐草模様、エイジング加工を施した。

担当教員によるコメント

この画像では分かりづらいが、作品の折れた様な欠損部分は内部まで作り込んでおり、彼の作品への執着がディテールから手に取る様に分かる。それに加えて制作工程が非常に興味深かった。というのも、昨年の制作期間中はコロナ禍ということもあり「学校での制作」と「自宅での制作」2箇所の往復移動中は、常に彼のバックには作りかけの「骨」が入っていた。彼が作品の一端となる骨を親鳥のように、大事にバックで温めながら移動している姿に造形への切実さを感じていた。きっと移動中も、ある種のタリスマンのような形でこの作品が彼にも作用していたように思う。彫刻表現が多様化している昨今、意味性やポリティカルな文脈から発生した作品ではなく、物質と自分との関係性を強く結ぶことで構築していった作品である。

講師・木村 剛士

  • 作品名
    Tuz Gölü
  • 作家名
    岸本 晃侑
  • 作品情報
    技法・素材:FRP、 木材(杉) 、煉瓦、ペンキと水性塗料による着彩
    サイズ:H40×W90×D200cm
  • 学科・専攻・コース