装像

上原 碧海

作者によるコメント

重ね着。 私たちは生きている中でなりたい自分を想像し、常に変化を繰り 返している。元の姿から変化を遂げることができた時、そこには喜びが生まれるのではないだろうか。その喜びが積み重なり今の自分になる様子を表現したい。

担当教員によるコメント

ニット造形は織物とは全く異なる要素があるテキスタイル分野だ。糸とかぎ針一本あれば、立体造形がどこでもできるのではないだろうか。2020年は地球全体で多くの人々が外出を控え家にいる時間がとても長い1年だった。上原さんは、この環境を自分の卒業制作にうまく活用したと感じる。ニットを作る人の姿は黙々としており、見る人の心にあたたかさを与える不思議な力がある。実際本人の制作の姿は私が以前経験した北欧の家庭で営まれていたそれと同じだった。そう、本人がフィンランドの研修経験の影響はあったかもしれない。ニットで他者とコミュニケーションする手法は現代的な解釈を大変感じる。

教授・藤原 大