Session

細井 茶生

作者によるコメント

爪先立ちで、空を仰ぐ。

自然界の多様な歌声に、私は全身で耳を澄ます。

未だ見たこともないものは、永い歳月を積み重ねたものと無意識の中の無垢なものとの、即興のセッションで生まれる。

担当教員によるコメント

細井は、食虫植物、貝のヌルッとした表情、珊瑚の骨のような感触など自然界から着想をもとに、キルンキャストとパートドヴェールの技法を組み合わせたことによる造型に取り組んだ。溶けたガラスの動きが型に沿ってずり下がり引っ張り合うことで生まれるガラスの造形に着目したことは、面白い着眼点である。
窯の中でのガラスの溶け具合を目視しながら形を決定する作業は、最高温度の設定やガラスの溶けるタイミングを図りながらガラスの形が変わっていく様子と向き合うことで生物の表情を抽出しようとする作者のアイデアは興味深いものである。本人の意図した表現に到達するまでには、沢山のキルン技法による試行の蓄積とガラスや耐火材などの素材への研究を探究していく事を望む。
細井の独特の感性が今後、幅広く制作を続けていくことで新たな作品の展開に期待する。

教授・池本 一三

  • 作品名
    Session
  • 作家名
    細井 茶生
  • 作品情報
    作品形態:什器置き
    技法・素材:ガラス
    サイズ:H400×W465×D300mm、H400×W315×D315mm、H530×W220×D220mm、H385×W450×D450mm
  • 学科・専攻・コース