卒業制作優秀作品集2022
情報デザイン学科
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高みの見物/To see it rain is better than to be in it
インスタレーション
技法・素材:ディスプレイ、仮設足場材、フェンス、プラモデル、砂、サイレン、映像、3Dプリント
Credit:Exhibition Technician/ Kota KATO Riku FUJII
Staff:Wataru BANBA
サイズ:サイズ可変
今作は、1953年に起こった立川基地グローブマスター機墜落事故をモチーフとし、インスタレーションという形式を用いて制作された。
墜落事故の記録には、米兵が規制線を張って事故現場を封鎖した出来事が残っている。作家が作品を設置することで伴う「空間を占有する」という性質と、墜落事故での記録をパラレルに捉え、展示物の落下事故という架空の出来事を再現した。
担当教員によるコメント
加藤くんは、1953年6月18日の立川基地グローブマスター機墜落事故と、その後の基地の拡張に対して起こった砂川事件をモチーフに、虚構と現実、シミュレーションと経験の問題、そして空間における身体の配置や、映像や対象とのフィジカルな関係を、インスタレーション制作を通じて探究してきた。その背後には、SNSで拡散するフェイクニュースや、国家や権力によるメディアコントロールの問題も垣間見える。建設部材を援用した身体スケールのインスタレーションは、体験者の身体の高さや向きを、半ば強制的に変化させることで、知覚の側から人間の概念や思考に影響を及ぼす。オブジェクトや映像と身体が複合的、かつ逸脱的に交錯するその体験は、極めて思索的かつ挑発的だ。
教授・久保田 晃弘