Catnip Car Crush

Teng Weiran

作者によるコメント

Catnip Car Crushは、とある猫の国で、植物研究者トビーという猫が、法改正に恐れるため車に乗って自分の先生のもとへ亡命の旅に出るゲームである。主人公は車でキャットニップという植物を育てる過程で、出会い猫と繋がって、謎だらけの大陸を横断していく。
猫の国では、植物を食べる習慣があった。ある日突然、猫飴という新型飴が販売され始めた。そして、市民がその飴にはまるようになった。一方、主人公のトビーは、これは自分の先生の陰謀ではないかと気付き、猫飴の真相を解明することにした。
たとえ見慣れた生活様式でも、資本や技術によって変わってしまう可能性がある。技術革新の果実は美しいが、同時に壊れやすいものでもある。この思いを伝えたく、このゲームを作っていた。

担当教員によるコメント

トウは、これまでスペキュラティブ・デザインやSFの手法を援用しながら、新たな商品の生産と流通によって社会のあり方が変化する様子を描いてきた。3年次ではキヌアという雑穀の栽培によって生まれる新たな住宅環境や、生活様式についてゲーム形式の映像作品を通じて考察した。本作品では、猫に陶酔効果を及ぼすイヌハッカという植物に着目し、実際にプレイできるゲームとして制作した。ある日突然政府によって違法化されたイヌハッカを、研究者でもある可愛らしい猫のキャラクターが移動販売を続けながら旅をするゲームとなっている。そこでは、政府の決定に対する市民の反応や、自給自足の生活様式、植物の組織培養で生まれる新たな産業と、自然との関係性を見直す眼差しなど、私たちの社会で起きうる未来についての多様な考察が含まれている。

講師・谷口 暁彦