KAOKAO

兵藤 茜

作者によるコメント

「KAOKAO」という作品の中で最もこだわった点は、全て手描きだということです。イラスト部分はもちろんなのですが、文字の部分もフォントをトレースすることで、作品にあたたかみを感じさせる事ができたのではないかと思います。
また、モチーフごとの性格を考えることにも苦労しました。そのものらしい性格で、いつもどんなことを思っているのか考えるのは大変でしたが、この作品の醍醐味なのでモチーフの特徴を調べて性格付けをしていきました。それを楽しそうに読み上げる見てくださる方々を拝見したときは、とても嬉しかったです。

担当教員によるコメント

自分の身の回りにあるものをカテゴリーごとに分類し、観察しながら細い線で描き出し、兵藤版の博物誌を作成した。対象になるべく忠実であろうとしながらも、対象は抽象化され、輪郭を描く線も、自身でしか表現できない独自のものになっている。しかし、本人の意図は、対象を魅力的に描き出すことにあるのではない。万物には形状や機能から感じられる性格が存在し、それを表情を通じて描き出したいというものだ。その独自な感性もユニークであるが、もしかしたらアニミズムのような深い精神文化ともつながっているのかもしれない。

教授・永井 一史、非常勤講師・岡室 健