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安部 彩咲

作者によるコメント

苦労した点は、作る日の湿度や気温によって、薬品の発色の具合や割れ方が変わってしまう点です。いつも通りに制作してもうまくいかない時がありました。そのため薬品に焼き付ける時間などを目視で判断していました。

担当教員によるコメント

人の記憶は、時間変化とともに薄れたり変形したり、時には更新さえされていく。その一方、写真はほとんど変化しないまま保存される。その記憶と記録のギャップに着目し、変化する新しい写真の可能性を見い出した。写真自体も、蒼く深みのある色合いと、輪郭の曖昧な像によって、心の奥底に沈んでいる記憶のような魅力を持つ。そしてその写真が、空気の状態によってひび割れ、僅かな光によって感光は進み日々刻々と変化していくのだ。“記憶としての写真”という視点を持つことで、固定化された従来の写真に対してのオルタナティブな表現になった。

教授・永井 一史、非常勤講師・岡室 健

  • 作品名
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  • 作家名
    安部 彩咲
  • 作品情報
    インスタレーション
    技法・素材:餅、サイアノタイプ
    サイズ:H297×W420×D10mm(1点)、H420×W297×D10mm(2点)、H297×W210×D10mm(1点)、H210×W297×D10mm(2点)、H127×W178×D10mm(2点)、H60×W60×D10mm(2点)
  • 学科・専攻・コース