創造余暇研究会スポーツ研究大会

都路 拓未

作者によるコメント

今回のスポーツ研究大会において創造余暇研究会は、釣りやキャンプ、休日の外遊びなどで使われる器具を用いた二人用競技をいくつか制作した。かつて体育教育は規律を守り強い身体を育成する目的、つまりは軍人育成を目的として行われていた。また、運動会は日々の訓練の成果発表の場として特別に用意された機会であった。1964年の東京オリンピックを境に少しずつ変化してきている。今日の体育は競技は内容の選択肢を設ける、スポーツや鬼ごっこなどの遊びを取り入れるなど、健康促進やレジャー教育を目的とする傾向が見られる。しかし運動会の運営は入場行進や号令など、伝統的な形を残している。体育のレジャー化に伴い、運動会もこれまでの運営方法を再検討されるべきである。

担当教員によるコメント

2月の終わりにロシアがウクライナに侵攻してからというもの都路さんの作品で語られる”(軍隊式な)制度の下に位置付けられてしまっている身体”という意味が異様な説得力を持ってきている。。きわめて少数の権力者達の都合で勝手に、突然に、始まってしまった戦争(少なくとも僕からはそんな風に見えた)に、参加してしまった若い身体達の事を考えずにいられない。
都路さんの映像やパフォーマンスの中で見られる、ある身体の熱狂は同時に、冷静に身体を制御しようという相反した意識と拮抗させる事で、ユーモラスな空気を生んでいる。我々の身体は恐ろしく長い歴史や広大なネットワークの中に不本意だとしても位置づけられてしまうが、同時に驚くほど自由でもあり、だから面白いのだ。それを都路さんの作品から教わった。

講師・千葉 正也

  • 作品名
    創造余暇研究会スポーツ研究大会
  • 作家名
    都路 拓未
  • 作品情報
    素材・技法:映像、インスタレーション、パフォーマンス
    サイズ:可変
  • 学科・専攻・コース