無題
濱﨑 夢
作者によるコメント
一つ一つが特定の何かとは断定できないパーツを集めています。断片的なパーツが集まってきているような、背景の白がコラージュに重なることで背景ではなく何か一つのパーツとしても捉えられるようなコラージュを制作しました。
担当教員によるコメント
濱﨑夢は、雑誌写真や日常品をコラージュし、それをインクジェットプリントと手描きのシルクスクリーン版画で表現している。基本的にはインクジェットプリントによる写真表現でありながら、ところどころで細密に描写されたり、シルクスクリーン独特の厚みのあるインクの膜面に置き換えられたりするので、作品は写真と描写が交錯するように仕組まれている。さらに、支持体となる白い<地>は単なる背景であることを止め、白い<図>としてせり出し、コラージュの1ピースとして組み込まれていく。このように彼女の作品は写真と描写、地と図の間を行き来する構造体として成っていて、イメージは或る事物、風景の断片として生起しながらも、それらの間を揺れ動くことで別の新たな位相へと変換され、他のイメージに繋がっていくことになるのだ。ここに濱﨑作品のユニークさを見ることができるだろう。
教授・大島 成己
- 作品名無題
- 作家名濱﨑 夢
- 作品情報技法・素材:インクジェットプリント、シルクスクリーン
サイズ:H1055×W835mm(3点) - 学科・専攻・コース
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