トワ
岡田 夢乃
作者によるコメント
自分の頭の中にある世界の、風景や生物を形にしました。現実には存在しない彼らのことを、少しでも好いてくれたら幸いです。
担当教員によるコメント
岡田夢乃の作品は、頭に浮かんだいくつもの意味のない形を木版で彫り、それを水性絵の具で刷ることから始まる。そして、その刷り上がったパーツからイメージを膨らませて、ペンで繊細に描いていく。それは、不思議な形をした生き物でもあり、荒涼とした風景であるのかもしれない。壁に点在する90点のパーツは断片のようだが、1点、1点が独立した小さな世界の集合体である。
作者は、統一した世界を追いかける行為で制作をしていないため、パーツ同志に明確な繋がりや関係性を持って存在していない。けれども、それぞれのパーツが配置、構成され、白い余白を通して、自然と繋がり、互いに侵食し、共鳴しあって世界を奏でている。それは、作者の意図を超えた「物語」の出現にほかならない。この小さなパーツは、何処までも拡がっていく力を感じる。
教授・古谷 博子
- 作品名トワ
- 作家名岡田 夢乃
- 作品情報技法・素材:水性木版、ペン画
サイズ:H210×W297mm以内(90点) - 学科・専攻・コース
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