卒業制作優秀作品集2022
彫刻学科

池内 琢也

GREEDY!!!!

技法・素材:フィラメント、FRP、ウレタン塗料
サイズ:H1600×W600×D600mm

私は作品を作る上で「醜くカッコいい」をテーマにしています。それは自分自身の醜さや世の中の理不尽、人間関係の複雑さに対する苛立ちなど、自分を含めたこの世のマイナス要素全てに反発し、発散させ、受け入れるためです。
このバーストした金魚は、貪欲になんでも口に入れたせいで身体に収まりきらず、内臓(のような便のような汚物)が飛び出て花火のようにはじけている姿をイメージしました。
切り捨てることなく全てを手に入れようとして自滅する、その強欲さと醜さを形として表現しました。しかしその姿は花火の様に派手で、強く、勢いがあって色んな人の目を引いてくれるでしょう!!!!わー!

担当教員によるコメント

金魚に餌を与え過ぎると食べきれない餌はそのまま水質を悪化させて、ついには金魚が死んでしまうケースがある(過去に僕はやってしまいました…)。水性生物はその環境で食事・糞尿・呼吸を全て行なっており、体は水質の100倍濃縮された身質になるという。
池内くんはホットロッドキャラクターなどのカウンターカルチャーを意識しながら制作をしている。このキャラクターはイラストからフィギュアまで幅広いメディアで展開しており、所持していることでステレオタイプな幸せや感動といったものに反発するアイコンとなる。この作品は、幸せの形が画一化され飽和している現在において水質汚染にも似た毒が日常の中にも潜んでいることを示唆している。制作工程もフィジカルからデジタルまでメディアを扱い、幅広い鑑賞者を意識した作品である。

講師・木村 剛士

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